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Women's Clinic Minami Aoyama
『卵子の老化』について具体的な治療とは?
*このページは科学の進歩に伴い、順次改変を行っていきます。
科学の進歩により、今までには不可能だと言われてきた事が可能になっています。
『卵子の老化』について、どの遺伝子をターゲットにすべきか、
その遺伝子は何でスイッチの切り替えが出来るのか?が明らかになりつつあり、
特定の薬剤を用いたり、特定の方法でのみ可能という時代から、
遺伝子のスイッチの切り替えは自分でも可能な時代へと考え方が変化しています。
では、卵子の老化を防いだり、
よみがえらせたりするにはどうしたら良いでしょう?
~卵子の質を高める~
卵子の質を高めるためには、加齢で低下したミトコンドリアの数と質を高める事が重要です。
受精卵が体を形成するためには膨大なエネルギーが必要で、
卵子には約10万個ものミトコンドリアが含まれています。
*人の体の細胞ひとつに含まれるミトコンドリアは数百個程度、
エネルギーを沢山必要とする心臓や脳の細胞ですら5千個程度なので、
いかに卵子に含まれるミトコンドリアの数が多いかがわかります。
ミトコンドリアの数と質を高めるための具体的な方法とは?
サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性化を促す
ここで鍵になるのが、『サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)』を活性化させる事。
中でも、『Sirt1』の活性を高める事が重要です。
*卵子の質にSirt1が重要な働きをしていることを示す論文
サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性を促すために、
運動や、カロリー制限・断食などのセルフケアも有用ですが、
当院では、*NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)、レスベラトロールなどの
栄養素の摂取を推奨しており、個人差をふまえた処方を行っております。
*NMNは「若返りのサプリ」として知られており、
老化した卵子を再生することを示した論文が次々と出始めています。
摂取すると、体内でNAD +という物質に変換され、長寿遺伝子を活性化します。
さらに、マイトファジー機能の活性化を通じて、
老化したミトコンドリアを壊す事で、卵子の質の向上に寄与する可能性があります。
NMNは単独で摂取するよりも、
『若返りの効果を高める他の栄養素とと組み合わせて摂取する事が効果的である』
という事も分かり始めています。
ミトコンドリア機能アップ+卵子の質と数を高めるために酸化(サビ)・糖化(焦げ)をケアする
・酸化(サビ)について
過剰な酸化が細胞や組織に損傷を与えます。
これは「酸化ストレス」と呼ばれ、細胞内の重要な分子や構造を攻撃することがあります。
また、排卵のたびに、大きな酸化ストレスがかかることが知られています。
抗酸化物質(メラトニン、ビタミンC、E、CoQ10など)を摂取することで、
卵胞液のサビを防ぐ作用や、ミトコンドリアの機能を維持します。
・糖化(焦げ)について
糖化が進んでいる=ミトコンドリア機能が低下している事が知られています。
抗糖化は糖化ストレスを減少させ、細胞の機能を改善し、ミトコンドリアの効率を高めます。
糖化度を測定する事で、卵子の質を非侵襲的かつ簡便に推測する事が可能です。
当院では、機械に腕を乗せるだけで数十秒で測定できる
終末糖化産物(AGE)というものを活用しています。
AGEが高い数値を示す場合には、卵子の質を改善する治療が必要になります。
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上記の他、卵子の老化に良い栄養素として、
ビタミンDやDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)なども挙げられます。
・ビタミンDについて
ビタミンDは細胞の機能をサポートし、老化を防ぐ働きがある他、
免疫作用調整、生殖ホルモンの分泌に関与しており、卵子の老化を遅らせるのに有用です。
ビタミンDが不足すると、体外受精での受精率の低下や、妊娠した後の流産率の上昇、
また新生児の発達障害の可能性が高まるといわれています。
日本では大多数の女性が不足している事が知られており、当院でも治療に用いています。
・DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)について
DHEAには卵胞の発育を促すIGF-1(Insulin like Growth Factor-1)の
血中濃度を上昇させる作用や、
ミトコンドリア新生を促す作用などが報告されており、
卵巣機能を改善するメカニズムは多岐に渡る可能性があると考えられています。
また、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値が1.0pM未満と非常に低い女性が、
体外受精を何回受けても妊娠しなかったのに、
DHEAを数ヶ月間飲み続けたら人工受精で妊娠できた、とする報告もあります。
※DHEAはホルモンの一種の為、副作用も皆無とは言えません。
卵子の成長過程に応じた総合的な対処が必要なので、専門家の指示のもと服用下さい。
*高齢不妊女性に対するサプリメントの有用性 http://fa.jmor.jp/pdf/39/1/039010027.pdf より
~卵子の量(数)を増やす~
『卵子の量(数)を増やす』=卵子を”先祖がえり”させる
卵子は精子とは異なり、その女性が生まれる前から決まった数だけ持っている
⇒小出しにしていくだけなので、残された卵子が老化してしまったら妊娠することはできない・・
とされてきました。
しかし、実際には、『閉経後の女性の卵巣の中にも赤ちゃんにまで育つことができる卵子が眠っている』
という事が証明されており、卵巣内には「原始卵胞」と呼ばれる、
自分が母親のお腹の中にいた頃から持ち続けている
「卵子の芽」のようなものが沢山残っている、ということが新しい科学でわかっています。
それを今、卵巣内で使える卵子にすること、それが「卵子を先祖がえりさせること」です。
具体的にはどのような治療をするのか?
上記の「卵子の質を高める」方法に加えて、当院では、
高濃度のビタミンC+SAMe(S-アデノシルメチオニン)などを
摂取することで卵子の先祖返りを行います。
女性の”カラダの中からの抗老化とオプティマル・ヘルス”を
新しいかたち(DNAケアとITシステム)でお手伝いする医療機関です。